中世スペインの工芸品

中世のスペインで作られていた、小さな収納箱の写真です。このような箱は階級の高い人たち───貴族、王様、聖職者が所有し、様々な用途で使われていたそうです。また聖遺物の収納にも使われました。

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中世の西欧キリスト教ヒエラルキーが聖遺物の収拾に意を用い、しかもこの傾向は汎欧州的に普及したのです。それを安置する場所は主として洞穴の如き地下祭室でした。当然のことですが、それらの遺物は聖遺物箱に格納され、保管されました。この容器がイスパニア・ロマネスク美術の一分野に相応しい外観を伴い、象牙や金銀の箔などで四側面がかざられ、見事な美術品として残されてきました。(「神の美術」勝峰昭著 より抜粋)

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写真提供 Professor Fco Javier Ocaña Eiroa

Photos courtesy of Professor Fco Javier Ocaña Eiroa