サンタ・マリア・ラ・マヨール参事会教会(トロ)

サモラ市から東へ32km、サンタ・マリア・ラ・マヨール参事会教会(トロ)Colegiata de Santa María la Mayor(Toro)がある。この教会は、高さと量感のあるロマネスク・ムデハル様式建造物である。

この教会は12世紀中頃〜13世紀初頭に建設された。一流の工匠たちが参画し、素晴らしい頭部や側廊扉口など、石灰石を用い革新的で洗練されたロマネスク様式のものを手がけた。完成までに相当長引いたので、逆にそれを仕上げた第二期の工匠たちは、懐古趣味的な要素ムデハル様式(赤っぽい砂まじりの煉瓦を使用)で身廊及び翼廊の管状穹窿を完成させた。

この聖堂がイスパニアにおいて高く評価されているのは、その規模とムデハル様式の特殊性においてイスパニア・ロマネスク聖堂の一つの典型例だからである。

『イスパニア・ロマネスク美術』勝峰昭著 より抜粋)

 

写真提供 Professor Fco Javier Ocaña Eiroa

Photos courtesy of Professor Fco Javier Ocaña Eiroa